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韓国ネットに新たな闇 犯罪者を晒す「デジタル刑務所」、えん罪で死者も - Newsweekjapan

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<ネット先進国の韓国は、ネット犯罪の闇も深い。その闇に引きずり込まれた者がさらなる闇を生み出した>

奴隷と呼ばれる女性の性搾取や幼児ポルノなどの映像を掲載した「n番部屋事件」が韓国社会を震撼させ、犯人の身辺情報公開を求める声が高まっていた今年3月、韓国のネット上に突如「デジタル刑務所」というサイトが誕生した。

韓国メディアの報道によると、このデジタル刑務所運営者の一人は、自身の親戚が「n番部屋事件」の被害者だったと語り、性犯罪に対する刑罰が軽すぎることに反対するため「デジタル刑務所」を始めたと主張しているという。

この「デジタル刑務所」というサイトは、個人情報を晒す私刑サイトだ。殺人などの重刑犯や性犯罪者、幼児虐待者、n番部屋利用者などを中心に、犯罪者の顔写真はもちろん、罪名、裁判過程、住所、携帯番号、音声、メールアドレス、ネット利用時のID等にいたるまであらゆる個人情報を公開している。個人で運営しており海外にサーバーを置いているため、運営者を特定するのが難しく、また1期・2期と運営者は複数いるとされている。

えん罪が次々と発覚

そして、このサイトをめぐって被害者が出てしまった。警察によると、9月5日韓国の名門大学の1つ高麗大学に在学中の男性が自殺したと発表した。調べによると、9月3日デジタル刑務所にこの男子学生の顔写真、学校、専攻、携帯電話番号など個人情報が公開されていたことが分かり、それが原因で自殺したと言われている。

この学生についてデジタル刑務所側は、「男子学生が"知人陵辱"した」と掲載している。"知人陵辱"とは知人の顔をわいせつな写真と合成して、インターネット上に流布する行為だ。

男子学生の情報がデジタル刑務所にアップロードされると、男性は高麗大学の学生専用コミュニティ掲示板に「デジタル刑務所に載っている写真と電話番号、名前は私だ。ただその外のすべての情報は決して事実ではない」と主張を書き込み、その後自ら命を絶ってしまった。

えん罪の被害者はこの学生だけではなかった。他にも、数名が無実なのにもかかわらず虚偽情報を掲載される被害にあっている。そのうちの一人、格闘技選手キム・ドユン選手は、今年7月に性犯罪の犯人として個人情報流布されてしまった。後に、デジタル刑務所側がこれは誤った情報だったと謝罪文を掲載したが、キム選手の元には今でも誹謗中傷のメッセージが届いているという。

また、カトリック系医科大学に勤務するチェ・ジョンホ教授もえん罪被害者の一人だ。今年6月、デジタル刑務所の加害者リストに、チェ教授がn番部屋へ送ったとされるメッセージ画像と、個人情報が掲載された。

チェ教授はすぐに警察に通報し、サイバー警察に携帯を提出してすべてのデータ分析調査を依頼して、無実を訴えた。2カ月掛けて、ようやくチェ教授の潔白が証明されサイト運営側も謝罪文を掲載したが、その間の被害は相当なものだったという。

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September 29, 2020 at 06:00PM
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