千倉の花畑咲き誇れネットで再生資金募る耕作放棄地整備、催し実施 - 東京新聞

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大勢の観光客を迎えてきた花畑＝昨年３月撮影、南房総市で（市提供）

　新型コロナウイルスなどの影響で観光客が減少している南房総市千倉町千田地区の花畑を再生しようと、同市は「楽天ふるさと納税」を活用したクラウドファンディング（ＣＦ）で寄付を募っている。十月二十八日までで、目標金額は千五百万円。耕作放棄地の整備や集客イベントの実施などに充てる方針。（山田雄一郎）

　千倉の花卉（かき）栽培は大正時代の切り花出荷にさかのぼる。手渡されたはさみで観光客が園地の花を収穫する「花摘み」が人気を呼び、昭和四十年代の無料駐車場の開設とあいまって、ピーク時は約六十一万人が訪れた。「南房総の早春の花摘み観光」として、房総半島を代表する観光スポットとなった。

　しかし、二〇一九年九月の台風１５号と昨年からのコロナ禍が観光業を直撃。花畑に隣接する道の駅ちくら潮風王国では、昨年度の入り込み客数が一八年度に比べ四割減少した。生産農家の高齢化で耕作放棄も目立つようになっている。

　こうした状況を打開しようと、潮風王国テナント会などが主体となってＣＦを企画。集めた資金を活用し、来年度から二カ年計画で再生事業に取り組むことになった。耕作放棄地を借り受け花畑を整備するほか花畑に撮影スポットを設置。花卉栽培の担い手育成の一環として、地域の小学生に花の植栽から摘み取りまでを体験してもらうことも想定している。

　ＣＦは一万二千円から受け付けている。返礼品にはカレンデュラのフラワードレッシングや干物セット、イセエビなど十種類が用意されている。全体の寄付が目標金額に到達しなかった場合でも返金はしない。

　ポータルサイトへは市のホームページ（ＨＰ）から進める。問い合わせは、市企画財政課＝電０４７０（３３）１００１＝へ。