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ネットの可能性 歌姫に託し アニメ映画「竜とそばかすの姫」 細田守監督 - 東京新聞

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映画「竜とそばかすの姫」について話す細田守監督

映画「竜とそばかすの姫」について話す細田守監督

 公開中のアニメ映画「竜とそばかすの姫」を手がけた細田守監督は、約十年ぶりにインターネット世界を描いた。過去作品からの系譜には、ネットと人々の関わり方の時代変化が見て取れる。不朽の名作「美女と野獣」をモチーフにした最新作は、壮大な娯楽性と同時に、現代社会に根差した問題を提示する。 (古谷祥子)

 一九九九、二〇〇〇年の「デジモンアドベンチャー」シリーズ、〇九年の「サマーウォーズ」に続くインターネットが題材の本作。母の死をきっかけに歌えなくなった内向的な主人公すずが、自らの分身を作れる仮想空間で、歌姫ベルとなって活躍する。突如現れた凶暴な竜の正体を巡り、ネット世界と現実が混然一体となった騒動に発展していく。

 細田監督は「若い人が新しいツールで世界を革新していくのを応援していた頃に比べ、ネットとリアルがすごく近づいた」と、時代性を踏まえた自作の変容を語る。

映画の一場面。仮想世界でベル(右)となったすずは、正体不明の竜と出会う

映画の一場面。仮想世界でベル(右)となったすずは、正体不明の竜と出会う

 本作では、ネットの誹謗(ひぼう)中傷による悪影響を描写する一方、実社会の問題を解決するネットの可能性も示し、両者の相互作用を光と影の両面からとらえる。「『うその世界だ』とよく言われるネットも、現実も、僕に言わせると両方真実」。登場人物の人間関係が仮想空間から現実へ飛び出していく展開にも表れる。

 ネット世界の「美女と野獣」として、名作の要素を取り入れた挑戦は大胆にも思える。「野獣の二面性とネットに関わる人間の二面性がうまく一致し、相性が良いと感じた。十八世紀の古典と現代が響き合い、うまくいく予感がした」

 劇場公開前、七月の仏・カンヌ国際映画祭がお披露目の場だった。評価の表れとされる上映後のスタンディングオベーションが、十分以上続いた。「カンヌのお客さんは厳しいといわれる。あれだけ長時間の拍手を初めてもらい、本当に伝わっていると感じた」と確証に変わった。

 一八年の「未来のミライ」は家族のあり方を描き、当時の取材では、身近な関心事が自作に波及することを語っていた。本作も例外ではなく、子どもを取り巻く社会問題にも触れる。

 「アニメで作るのはどうかという意見もあったが、描かないのは問題がないのと同じ。現代を反映するのが映画で、アニメだけ除外することはできない」と信念は揺るぎない。

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August 19, 2021 at 05:50AM
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