上限をなくせば、業務肥大化に歯止めがかからなくなるのではないか。公共放送の役割を再認識し、節度ある事業運営に努める必要がある。
NHKは、テレビ番組を放送と同時にインターネットに流す「常時同時配信」などのネット業務の実施基準で、受信料収入の2・5%を費用の上限とするルールを撤廃する案をまとめた。
2021年度のネット事業費の見通しは、総額で受信料収入の2・94%となった。22、23年度も同水準を見込んでおり、総務省に認可申請する予定だという。
同時配信サービス「NHKプラス」は4月から本格実施され、地上波の番組がスマートフォンなどで見られるようになった。
NHKは、テレビなどの受信機を持つ世帯からの受信料で成り立っている。放送法では、ネットは補完的なものとの位置づけだ。
前田晃伸会長は、通信と融合が進み、「本来業務とした方が実態に合う」と述べているが、なし崩し的な業務拡大は許されない。
2・5%ルールは、ネット事業の膨張を防ぐため、NHK自らが総務省と15年に決めたものだ。
NHKは昨年秋、同時配信の認可申請の際に、国際放送など4業務の費用を別枠とする案を示し、総務省に修正を求められた。
結局、東京五輪関連を別枠で認める代わりに、ネット事業費全体を2・5%の枠内に収め、事業を効率化することを条件に、今年1月に認められた経緯がある。
それから1年もたたないうちに、ルール撤廃を持ち出すのは理解に苦しむ。「抑制的な管理に努める」との表現を実施基準に盛り込むというが、肥大化の抑止を保証するものとは到底言えまい。
武田総務相は「費用の上限を定めるとともに、真に抑制的なものにすべきだ」と指摘しており、適切に対処してもらいたい。
安定的な受信料収入を得て、優遇された立場のNHKが、野放図な事業拡大で民放の経営を圧迫することがあってはならない。
ネット事業の強化を目指すのなら、先に他の業務のスリム化やコスト圧縮を徹底するのが筋だ。
NHKが8月に発表した次期経営計画案では、イベント企画や物販などの子会社の改革は手つかずとなっている。再編やリストラを断行するべきである。
今月、受信料を2・5%引き下げたものの、一段の値下げを求める声は大きい。本体と子会社で多額の内部留保をため込んでおり、視聴者への還元が不可欠だ。
October 10, 2020 at 03:00AM
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NHKネット費 上限の撤廃は認められまい - 読売新聞
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