2020年10月22日07時08分
【パリ時事】パリ近郊で男性教員が殺害されたテロ事件で、授業内容を非難する動画がインターネット上で放置されたことが、犯行のきっかけになったとの指摘が出ている。フランス政府はネット上のヘイトスピーチ(憎悪表現)の規制強化を検討中だが、規制が政府の擁護する「表現の自由」を侵害しかねず、難しい対応を迫られている。
殺害されたサミュエル・パティさん(47)は今月上旬、「表現の自由」をめぐる授業中にイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を生徒に見せた。見たくない生徒に対しては、「目を閉じるか退室していい」と促したが、反発した保護者がパティさんを非難する動画をネット上に投稿した。
さらに、イスラム過激派として当局の監視対象となっている男がパティさんを「悪党」呼ばわりし、イスラム教徒に「行動」を呼び掛ける動画を投稿。呼応したチェチェン系の容疑者(18)=警官が射殺=の犯行につながったとみられている。
パティさんが交流サイト(SNS)上で脅迫を受け、警察に相談していたとの情報もあるが、具体的な対策は取られなかったもようだ。政府報道官は18日、BFMテレビに出演し、「公開リンチに加担した人々にも責任がある」と批判した。
仏議会は今年5月、ネット上のヘイトスピーチを24時間以内に削除するよう運営企業側に義務付ける法案を採択した。しかし、違憲審査を行う憲法会議は同法が「表現の自由を侵害している」と判断。削除義務付けに関する一連の条項は除外され、6月に公布された法律は骨抜きとなった。
首相府関係者は仏紙フィガロに対し、「法律の再検討は不可能ではない」と主張している。ただ仏政府が、イスラム教徒への侮辱と取られかねない風刺画を表現の自由だと擁護する一方で、憲法会議の判断に沿わぬ形でヘイトスピーチ規制を強めれば、「二重基準」の批判を招きそうだ。
October 22, 2020 at 05:08AM
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「表現の自由」対応苦慮 教員殺害でネット規制強化―仏:時事ドットコム - 時事通信ニュース
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