あの日の広島伝えたい町田のゆ・あさんきょうネットラジオで「語り唄」 - 東京新聞

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番組収録で語り唄「あの日の広島」を披露するゆ・あさん＝千代田区で

　朗読と歌、語りを組み合わせたパフォーマンス「語り唄」の活動を続ける東京都町田市在住の「語り唄ゆ・あ」さんが五日、広島の原爆をテーマにした語り唄「あの日の広島」をインターネットラジオで披露する。実話を基にした作品で、ゆ・あさんは「平和について考えるきっかけにしてほしい」と話す。　（服部展和）

　「あの日の広島はいい天気だったの。雲一つない青空でね」。七月二十九日に千代田区のスタジオでラジオ番組の収録に臨んだゆ・あさんは、落ち着いた声で語り始めた。

　広島で原爆投下の瞬間を目撃し、被害者の救護に当たった九十代の女性の体験。救護所の床に横たわった百人以上の被害者は治療もままならず、名前を確認するのが精いっぱいだったという。ゆ・あさんは、二〇一九年に女性から体験を聞いた経緯に触れながら声を詰まらせた。

　この女性とは、手芸教室を開いていた神奈川県内の高齢者施設で出会った。施設に通って三年がたったある日、顔なじみの女性が「私はね、原爆を落とした飛行機を見ていたのよ」と切り出した。戦争体験者の話を聞くのは初めてで、息をのんで耳を傾けた。「誰かに伝えなければ」と帰宅後すぐにやりとりを記録し、語り唄「あの日の広島」を作った。

　その後、ゆ・あさんは町田市などで語り唄を披露。昨年八月、自身がパーソナリティーを務めるインターネットラジオ「ゆめのたね放送局」東日本第２チャンネルの番組「あなたと私の語り唄」で紹介した。「平和が当たり前じゃないことを自分なりの表現で伝えたい」と、今年も番組で取り上げることにした。

　番組は五日午後一時〜一時半。十二日の同じ時間に再放送する。同局西日本チャンネルの番組「いのち輝いて」（九日午後十時〜十時半）でも放送される。いずれも同局のホームページから番組名で検索。無料で聴くことができる。