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ネットの悪意、遠い根絶 自治体監視「削除しても…いたちごっこ」 - 神戸新聞

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 匿名掲示板などを対象に、インターネット上の悪質な書き込みを監視する「インターネットモニタリング」事業に兵庫県と県内市町が取り組んでいる。部落差別、ヘイトスピーチ、性的少数者(LGBT)、新型コロナウイルスの中傷など、人権問題が複雑化する一方で悪質な書き込みはやまない。これまで、書き込みは匿名掲示板が中心だったが、近年はツイッターなどの会員制交流サイト(SNS)に移行する動きもあり、新たな対応に迫られている。

 尼崎市役所にあるモニタリング室。尼崎人権啓発協会の三澤雅俊さんが、匿名掲示板の検索欄に「部落」「尼崎」「在日」などのキーワードを打ち込むと、ずらりと差別的書き込みが表示される。同協会職員が「2ちゃんねる」「5ちゃんねる」「爆サイ」などの匿名掲示板を巡回する。

 「削除することで抑止力になっている。過去に比べれば着実に減った」と三澤さん。その一方で「何度削除してもなくならない。根絶にはほど遠い」とため息を漏らす。

 同市によると、昨年9月時点で、インターネットモニタリングを実施している自治体は11府県178市町村。同市を視察する自治体も多いため、兵庫県外を含む他市町村の差別的書き込みの削除にも協力し、2019年には市外の927件を通報し、767件が削除された。

 頭を痛めているのが、SNSの対策だ。県内で取り組む24市町のうち、SNSも監視対象にしているのは宝塚や加古川、三田市、猪名川町など12市町に限られる。ツイッター、フェイスブックのほか、ニコニコ動画やユーチューブなど動画投稿サイトにも監視対象を広げる猪名川町の担当者は「いたずらや炎上を狙ったユーチューバーの投稿が流行し、気を使っている」とする。

 5月には、テレビ番組に出演していた女子プロレスラーの木村花さん=当時(22)=が、SNSに寄せられた中傷を受け、その後亡くなった問題も起き、事業者側も不適切投稿の削除を強化するなど対策に乗り出しているが、後を絶たないのが実情だ。

 匿名掲示板と異なり、SNSはキーワード検索で引っかかりにくく、どうすれば悪質な書き込みを見つけ出せるか、ノウハウは積み上がっていない。

 神戸新聞社は新型コロナに関する中傷の有無を県内41市町に尋ねたが、「検索してもヒットしない」といった回答が相次いだ。

 県によると、新型コロナを巡っては感染者を中傷する書き込みや、コロナ感染拡大を在日外国人や部落差別と結び付けるような内容を確認しているという。県人権推進課の担当者は「社会問題が起きれば、マイノリティーへの差別的書き込みがあふれる。地道に削除しているが、いたちごっこの状態」と話していた。(井上 駿、太中麻美)

■収集事例教育や啓発に活用を 関西大・内田龍史教授(社会学)の話

 インターネット上に部落問題について差別的な情報があふれており、モニタリングや削除には歯止めとして一定の役割がある。だが学術や研究目的の情報は削除の対象外とする必要があるため、それを逆手に取り、学術目的を装って無許可で撮影された動画も見られる。最もネットに触れる若年層が、部落差別についての教育を十分に受けていないのが現状で、モニタリングで収集した悪質書き込みの事例を教育や啓発につなげていくべきだ。現実に残っている差別を学び、誤った情報を見抜く目を育てることが求められている。

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December 22, 2020 at 04:30AM
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