木製の家具製造卸で国内最大手のカリモク家具（愛知県東浦町）が、新しい試みを続けている。稼ぎ頭だった婚礼家具の姿は消え、人口も減る時代にどう生き残るのか。加藤正俊社長に聞いた。
化粧品パッケージで資生堂と協業
――資生堂と化粧品で協業を始めました。
「『バウム』というブランドです。樹木との共生というテーマがあるそうで、先方からお話をいただきました。化粧品のパッケージに使う木材を手がけています。通常はボイラーで燃料として使っている端材が製品の一部になり、長く消費者に使っていただけるというのでありがたいです」
「実はほかの業界とのお付き合いというのは以前から続けているんです。フィギュアメーカー、メディコムトイの『ベアブリック』（クマのフィギュア）をつくったり、仏壇大手のはせがわとは現代の家屋にあう仏壇を手がけたり。電子楽器大手のローランドとは電子ピアノの木枠を提供しています」
――7月にはオンラインショップも新たに立ち上げました。
「新型コロナウイルスの影響が本格化したことし4月以降、自社のショールームや取引先の家具店や百貨店の閉鎖が続きました。大きな売り上げが出る催事もできない。一方で、2年前に取引を始めた大手通販サイト『アマゾン』では売り上げが落ちませんでした。中長期的な生き残りを考えると、これはオンラインショップを立ち上げざるを得ないと思いました。5月のゴールデンウィーク明けから準備を始めたのでバタバタでした」
オンラインショップで若者層に手応え
――手応えは。
「目標とする初年度の売り上げ1億円には届かないかなという情勢ですが、色々な買い方をするお客さんがいるんだなという発見があります。従来の仕事はサイズや塗装などを選んでいただくイージーオーダーの受注生産が大半なのですが、インターネットではすぐに商品を届けてほしいという方が多いのです」
「それから新たな顧客の開拓に向けた先行投資という意味もあります。例えば、2002年から展開している『カリモク60』シリーズは当時、雑誌に取り上げられて評判が広がったのですが、いまは雑誌を買わずにネット、それもパソコンではなくスマートフォンで情報を集める時代です。我々はそこへの対応が遅れました。今はそういった若い世代に届いている、という手応えがあります」
――新型コロナの業績への影響は。
「緊急事態宣言が出た4、5月…
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カリモク家具が見据える次の手 化粧品も仏壇もネットも - 朝日新聞デジタル
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