Search

農家の「声」 ネットで直送…若手がポッドキャスト配信:地域ニュース - 読売新聞オンライン

netto.prelol.com

 インターネットで音声を配信する ポッドキャスト を使って、農家が栽培方法や営農のコツなどを披露する「農系ポッドキャスト」が、注目を集めている。作業中に耳を傾けられるラジオに替わって浸透し、徐々に「聞き手」から「話し手」になる農家も増加。ブームの先駆的存在である福岡県の若手農家の配信は330回を超え、農業への理解促進や新規の就農にも一役かっている。(谷口京子)

 福岡市南区の郊外にある農家の倉庫に11月、作業着姿の男女2人が集まった。テーブルの上にはマイクとパソコン。慣れた様子で機材をセットすると、ポッドキャスト番組「 ノウカノタネ 」の収録が始まった。

 パーソナリティーを務めるのは、ナスなどの野菜や果物を栽培する「つるちゃん」こと鶴竣之祐さん(36)で、農家仲間の久保田夕夏さん(36)らと収録している。

 実家が兼業農家だった鶴さんは、地元の大学を卒業後、親とは別の畑で新規に就農。畑作業中にラジオを欠かさず聞いていたことから、「自分たちで音声番組を作れば、どんな思いで野菜作りに取り組んでいるのか、多くの人に知ってもらえるのでは」と思い、2014年7月に番組を始めた。

 配信は月に1回程度。品種や農薬の開発、農家の懐事情、各政党の農業政策の内容など、その時々に関心があることを博多弁を交えながら緩く話すのが特徴だ。台本はなく、今年1月には「光合成とは何か」、9月には「農業分野での人工知能(AI)の可能性」について話した。今月13日には、年末に配信予定の農業に関するクイズを出し合う番組を収録する。

 今年4月に配信した「楽しく怖い『農薬』の最先端」の回では、農薬を使わず、害虫の天敵にもなるテントウムシやカメムシなどの生物を利用して対策をする取り組みを紹介した。実際に、天敵を活用した農法に取り組む鶴さんは「天敵が増えすぎてもよくないので、常にバランスを取りつつやらないといけないのが難しいけど、面白いところ」と強調。久保田さんも「自然のバランスを崩さないように、農業をしていこうというのが今の流れよね」と応じた。

 リスナーは約8000人。農家にとどまらず、後継ぎや新規就農を考える人、農業に関係ない一般の人まで幅広い。配信後には「面白かった。まずは家庭菜園から始めます」「農業に挑戦してみたい」などと、農業に興味を持つコメントも多く寄せられるという。鶴さんは「農や食に関心を持つ入り口になれれば」と話す。

 農系ポッドキャストは現在、青森、和歌山、熊本、鹿児島、沖縄など全国各地に60番組程度あり、栽培や経営から、論文読解などジャンルも幅広い。

 20年12月には、配信に携わる農家がオンラインで議論を交わす「農系ポッドキャスト総会議」が初めて開かれ、各地の農家15人が参加。毎月1日を「農系ポッドキャスト」の日として配信日に決め、全国の農家が一斉に配信する。

 総会議に参加した農家らの姿に、刺激を受けた人たちもいる。大分県日田市の若手農家らでつくる「日田青年農業研究会連絡協議会」は21年12月から、「ひた農らじお」の配信を開始。情報発信などを目的に、就農までの経緯や栽培している農産物のおいしい食べ方などを紹介している。メンバーも当初の7人から、新規で就農した人なども加わり、現在は11人に増えた。

 最近はロシアによるウクライナ侵略を背景に、国内でも食料価格が高騰するなど、世界的に食料危機への懸念が高まっている。同協議会は今後、地元農産物の販売イベントなども計画する予定で、会長のエノキダケ農家、三笘信之さん(39)は「配信を通じて消費者と農家の距離も縮め、地元の農や食について一緒に考えていきたい」と話している。

ポッドキャスト番組「ノウカノタネ」はこちらから

Adblock test (Why?)


December 12, 2022 at 01:00PM
https://ift.tt/qWbcmyR

農家の「声」 ネットで直送…若手がポッドキャスト配信:地域ニュース - 読売新聞オンライン
https://ift.tt/Aml80v3
Mesir News Info
Israel News info
Taiwan News Info
Vietnam News and Info
Japan News and Info Update

Bagikan Berita Ini

0 Response to "農家の「声」 ネットで直送…若手がポッドキャスト配信:地域ニュース - 読売新聞オンライン"

Post a Comment

Powered by Blogger.