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本をネットで売る時に気をつけること - 読売新聞

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 本はかさばるうえに重く、買えば買うほど家にたまっていって置き場所に困るものです。私はしかたなく、たまった本を定期的に売り払ってきました。一昔前には自宅のすぐそばに古本屋さんがあり、そこそこの値段で本を買ってくれていました。その古本屋さんが店じまいをして、近所に本を売れる場所がなくなったため、古本買い取り業者にネット経由で売ったりしています。いわゆる「宅配買い取りサービス」の一つで、本を段ボールに入れて (こん)(ぽう) しておくと、自宅まで宅配業者が引き取りに来てくれるので、とても手軽で便利です。

 ただ、ちょうど10年前、2011年10月に最初にこのサービスを利用した際に、悪質な業者に当たった苦い経験があります。

 その業者は、あらかじめネット経由で発注しておけば、段ボール箱やガムテープも送ってきてくれる、一見手厚いサービスがありました。そこで、段ボールを三つとガムテープを頼みました。宅配業者の配達員が後日、それらを持ってきてくれました。段ボール箱三つにぎゅうぎゅうに本を詰めて業者に発送しました。その中には、上下巻で計7000円の学術書のほか、2000~3000円のハードカバー本もたくさん入っていました。これまで、古本屋に本を売ってきた経験から、少なくとも1箱5000円、三つで合計1万5000円では売れるだろう、ひょっとしたら2万円かなあと、考えていました。

 ところが、2011年11月1日に業者から振り込まれたのはわずか910円でした(ネット銀行の取引記録がありますので正確な金額です)。宅配便の利用料や段ボール代を勘案しても、あまりにも安すぎます。「これは詐欺だ」と怒りを感じました。しかし、苦情は言えなかったのです。なぜでしょう?

 その業者では、本の買い取り価格の査定結果についての扱いをサイト上で、事前に選択することができました。査定価格をまず知らせてもらい、気に入らなければ本を送り返してもらうこともできました(ただし送料は自分持ちとなります)。一方で、査定価格はお任せで、即銀行にお金を振り込んでもらうこともできます。この場合、業者の言い値を無条件で受け入れることになります。私は増えすぎた本を整理するために売っているのですから、本を送り返してもらう選択肢はもともとなく、査定額を即座に銀行口座に振り込んでもらう方式を選んだのです。だから、査定価格に苦情が言えなかったのです。

 それでも悔しいので、その古本買い取り業者についてネットで調べてみると、私のように「だまされた!」と怒っている人が多数いることが判明しました。また、その業者はたびたび社名を変更しながら、買い取り業務を続けていることも分かりました。たぶん、自分たちでも悪質なことをやっていると認識しているのでしょう。

 国民生活センターにもこうした悪質な買い取り業者について、苦情や相談が寄せられていたようで、17年11月には 「宅配買い取りサービスのトラブルが増加しています!」 と注意を呼びかけています。ただ、11年当時、そんなことは知らなかったのでした。

 この「事件」で学んだことは、ネット経由で本を売り払う場合は売値を気にしてはいけない、ということです。タダでも引き取ってもらいたい場合にだけ使うべきなのだと肝に銘じたわけです。で、それからしばらくはネット経由で本を売らずにいました。

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October 02, 2021 at 03:00PM
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