画像提供, NETFLIX
米動画配信大手ネットフリックスの株価が20日、米株式市場で35％急落した。21日にはさらに3.5％下落した。同社は会員数が10年以上ぶりに減少に転じ、4～7月期に会員がさらに200万人減る見込みだと、19日に発表していた。
複数の専門家がネットフリックスについて軌道修正に苦しんでいると警鐘を鳴らす中、同社の市場価値は500億ドル（約6兆4000億円）以上下がった。
競合他社との厳しい競争に加え、アメリカやイギリスなど主要市場での料金の値上げやロシアからの撤退が打撃となった。
ネットフリックスは広告付きの無料配信サービスの導入といった、自社の成長を後押しする計画を明らかにしているが、一部から疑問の声も上がっている。
また、パスワードの共有について対策を取る計画もあるとしてる。複数でアカウントを使い回し、課金せずに同社サービスを利用している世帯の数は1億を超えると推定されている。
著名投資家が株売却
こうした不安感から、アメリカの著名投資家の1人、ウィリアム・アックマン氏は20日、保有するネットフリックス株11億ドル（約1400億円）相当を全て売却し、4億ドルを超える損失を出したと明らかにした。
アックマン氏のヘッジファンド、パーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントは、今年1月にネットフリックス株を購入したばかりだった。
同氏は短い声明の中で、ネットフリックスがビジネスモデルを変更する計画は理にかなっているとしつつ、同社への投資はリスクが高すぎると感じたと説明した。
「ネットフリックスのビジネスは基本的に理解しやすいものだが、最近の出来事を考慮すると、我々は同社の将来の見通しを十分な確度で予測できるという自信を持てなくなった」
一部のアナリストは、コロナ禍の巣ごもり需要で急成長を遂げたネットフリックスは、収益を拡大する方法を使い果たしたと警鐘を鳴らしている。
アマゾンやディズニーなどの競合がひしめく中、コンテンツが多すぎて選べないと感じる人や、節約のために配信契約をキャンセルする人もいる。
メディア調査会社エンダース・アナリシスのシニアTVアナリストは、「ストリーミング市場は成熟しつつあり、人々がネットフリックスに抱いていた大きな期待もリセットされてきている」と指摘。
それでも、「ネットフリックスは市場のリーダーであり続けると思う。支配的な地位を獲得しているからだ。何かのサブスクリプションをやめる場合に、ネットフリックスが真っ先にその候補になることはないだろう」とした。
ネットフリックスは世界全体でなお2億2000万人以上の会員数を維持している。自社制作コンテンツを増やしているほか、「ザ・クラウン」や「ブリジャートン家」、「イカゲーム」のような世界的ヒット作も抱えている。
April 22, 2022 at 03:36PM
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米ネットフリックス、株価が3割強急落 「会員数減少」に懸念 - BBCニュース
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