輪島・ビジネスコンテスト宇出津の干場さん大賞ふくべ鍛冶ネット窓口に包丁研ぎ - 中日新聞

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グランプリに輝いた干場健太朗さん＝輪島市河井町の市文化会館で

使い捨て社会のあり方変える姿勢　評価

　起業や既に実施している事業プランを審査するビジネスコンテスト「ジャパンチャレンジャーアワード　イン　輪島」が、輪島市文化会館であり、５人が参加した。グランプリには能登町宇出津新のふくべ鍛冶４代目、干場健太朗さん（４０）が輝いた。

　干場さんはインターネットを活用し全国どこからでもアクセスできる鍛冶屋として修理などの依頼を受ける窓口を設けている。２０１８年から包丁研ぎをしており、注文すると届く箱で包丁を送ると、修理されて戻ってくる。生産性を向上させるため職人の技術を機械で再現することも計画しているという。

　道具を使い捨てする社会のあり方を変え、同時に鍛冶屋を存続することで海女が貝を捕るのに使う道具など、地場産業で必要とされる特殊な品物の生産を続けている点が評価された。干場さんは「鍛冶屋は各地で衰退しているが、潜在的な需要を掘り起こしたい」と意気込んだ。

　他には、同市門前町内の高齢者がスマートフォンを使いこなせるように支援する計画や、デザイナーが漆塗りの装飾品を作る事業などが発表された。全国でコンテストを開催する公益社団法人ジャパンチャレンジャープロジェクト（神奈川県鎌倉市）や市、輪島商工会議所などでつくる実行委が主催。同会議所の久岡政治会頭ら４人が審査した。

　（日暮大輔）