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ため池に落ちた人が溺れて亡くなる事故を減らそうと、一般社団法人水難学会(新潟県長岡市)は転落しても手でつかんではい上がれる樹脂製ネットの普及に取り組んでいる。学会の呼び掛けに応じ、東北でも安全策としてネットを設置する動きが出ている。
宮城県東部地方振興事務所は2019年4月、登米市迫町新田の圃場整備事業に合わせ、ポンプ場3カ所の調整池にネットを張った。池の周囲にフェンスはなく、転落の恐れがあったためだ。池を管理する地元の土地改良区と安全策を協議して導入したという。
大崎市も20年1月、同市松山のため池改修に伴いネットを設けた。市の担当者は「周りに設置したフェンスが壊れているため池などもあり、今後も修繕のタイミングを見ながら導入を検討したい」と話す。
山形県村山総合支庁は今年2月、朝日町で、ため池につながる水路への転落防止のため設置した。豪雪地帯で金属製のフェンスなどでは雪の重みによる変形が懸念され、樹脂製ネットを採用したという。
東北のため池では16年に宮城県大衡村で父子3人が、17年には大崎市松山で小1男児がそれぞれ死亡する事故があった。宮城県が目立つのは、東北6県で最も多い5160カ所のため池を抱えることも一因だ。
水難学会会長の斎藤秀俊長岡技術科学大教授(材料工学)は「樹脂製ネットは強度があり長持ちする。万が一落ちても助かる可能性が高まるので普及させたい」と話す。連絡先は水難学会070(4301)9862。
「近づかない」が大原則、落ちたら「浮いて待て」
ため池の斜面はぬれている上、泥やコケなどが付着して滑りやすい。落ちると自力ではい上がるのがほぼ不可能で、落ちた人を助けようとした人も溺れる恐れが大きい。
ため池で釣りや水遊びをする人の姿が見られることもあるが、非常に危険な場所として「近づかない・遊ばない」ことが大原則となる。
万が一転落した場合、水難学会は「浮いて、待て」の実践を呼び掛ける。同学会副会長で大崎市の潜水土木工事業安倍淳さん(62)は「落ちたら顔を水面に出して呼吸をしながら、背泳ぎの格好で浮いて救助を待ってほしい」と訴える。
もし落ちた人を目撃したら「すぐに119番してほしい。素人が救助するのは無理だ」と強調する。
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July 30, 2021 at 08:38AM
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【動画】ため池事故、安全ネットで備えを 水難学会が設置を呼び掛け - 河北新報オンライン
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