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日本酒や洋酒の人気銘柄、ネット高額転売で定価の3倍も…家飲み需要が影響か - 読売新聞

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 インターネット上で日本酒や洋酒の人気銘柄の高額転売が目立っている。定価の3倍で売られる商品もあり、コロナ禍で「家飲み」需要が拡大する中、ぜいたく気分を味わいたいとの心理が利用されている形だ。大量の転売は酒税法に抵触する可能性があるが、歯止めがかかっておらず、酒造会社側は流通経路を調査するなど「自衛」に乗り出している。(大川哲拓、河部啓介)

 「手に入りにくい逸品」「BBQ(バーベキュー)が中止となった ため 、お譲りします」――。フリマアプリ「メルカリ」に6月、「佐々木酒造」(京都市上京区)の「金銀 別誂べつあつらえ 」(720ミリ・リットル、8900円)が定価の約3倍で出品された。今春、数量限定で製造され、6月から発送が始まったばかり。1点単位での出品が多く、個人が到着直後に出したとみられる。

 佐々木酒造は俳優の佐々木蔵之介さんの実家で、出演ドラマとのコラボ商品も定価の約2倍で出品されていた。佐々木晃社長(51)は「本当に味わってほしい人に届かなくなる」と嘆く。

 令和への改元記念のシールが貼られた丹山酒造(京都府亀岡市)の「 皇美すめらび 」(720ミリ・リットル、1万6500円)もメルカリで2万4000円がついたが、おいしく飲める約1年間の期限は過ぎていた。長谷川 なぎさ 社長(43)は「本来の味を知ってもらえないのは悲しい」と話す。

 「家飲み」需要は、コロナ禍での飲食店の休業や時短営業で急速に広がった。

 総務省の家計調査(2020年)で、2人以上の世帯の年間支出額を見ると、外食での飲酒代が前年より52・7%減少したのに対し、家庭用の酒類は13・6%増。種類別では「ウイスキー」(36・6%増)や「チューハイやカクテル」(32・5%増)の伸びが目立つ。

 ニッセイ基礎研究所(東京)の久我尚子上席研究員は「おしゃれなレストランやバーで飲めない分、自宅で非日常感やぜいたくを楽しみたいという傾向があるのでは」と分析。フリマアプリ上では「このご時世なので家飲みにいかが」とうたう高額の出品が目立つ。

 影響は飲食店にも及び、京都市の繁華街・木屋町で日本酒バーを営む朝倉康仁さん(45)は「転売目的の買い占めで仕入れが難しい銘柄もある」と嘆く。

 高額転売は以前からあったが、最近の状況は目に余るとして、酒造会社やフリマアプリの運営会社は対策に本腰を入れ始めている。

 メルカリは今夏、価格が急騰する商品について、「購入においては冷静なご判断をお願いいたします」との表示を始める。銘酒「 獺祭だっさい 」の「旭酒造」(山口県岩国市)は、消費者から「値段が高い割に味が違う」と指摘を受けることがあり、商品を回収して流通経路の調査を行う。

 全国小売酒販組合中央会(東京)は、転売の実態を把握するよう国への要望を続けている。担当者は「適正な価格や品質が損なわれ、信頼を失うことがあってはならない」と話した。

 インターネット上での個人間取引の広がりで転売でのトラブルが増えており、摘発されるケースもある。

 酒税法では、酒類の販売業には免許が必要としており、違反には罰則がある。2019年度に無免許販売で摘発されたのは16件。国税庁によると、個人で多くの商品を転売する場合は「業」とみなされ、同法違反に問われる可能性がある。

 転売問題に詳しい福井健策弁護士によると、チケットなど転売が禁止されている商品を転売目的で購入すると詐欺罪にあたるといい、「酒も業者は転売を了承しておらず、転売目的の購入は詐欺罪が成立し得る。健全な流通を守るために当局は悪質なケースは積極的に摘発するべきだ」とする。

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July 31, 2021 at 01:00PM
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