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憲法改正の国民投票、ネットの偽情報どうする? 衆院憲法審で議論<発言要旨・2022年6月2日> - 東京新聞

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参考人質疑が行われた衆院憲法審査会(朝倉豊撮影)

参考人質疑が行われた衆院憲法審査会(朝倉豊撮影)

 衆院憲法審査会は2日、改憲の是非を問う国民投票を行う際のインターネット上の情報発信のあり方を巡り、参考人質疑を行った。参考人は、フェイクニュースへの対策や、ファクトチェック(事実確認)活動を強化する必要性を訴えた。

 IT事業者らでつくる「セーファーインターネット協会」の吉田奨専務理事は、「世界的に民主主義の脅威となるようなフェイクニュースの横行が報告される中、日本も社会を構成する各機関が協力して偽情報に強い社会の実現を図っていく必要に迫られている」と指摘した。

 NPO法人「ファクトチェック・イニシアティブ」の楊井人文事務局長は国内のファクトチェックについて「量的にもまだまだ不十分」と説明。「国民投票までに、信頼できるファクトチェック専門メディア・団体が複数活動している状態が望ましい」と訴えた。(佐藤裕介)

◆発言要旨

 2日の衆院憲法審査会での主な発言の要旨は次の通り。

 【説明聴取】

 吉田奨セーファーインターネット協会専務理事

 インターネットの出現は、マスメディアに限られていた言論公表の場を個人にもたらした。民主主義にとって非常に良いこと。ただ、表現の自由を大前提としつつ、他の法益との調整を要する場合がある。近年、民主主義の脅威となるようなフェイクニュースの横行が報告され、日本も偽情報に強い社会実現の必要に迫られている。国民投票や憲法改正の正確な情報(発信のため)の対策は民間事業者の自主的判断。一つの担い手や一つの策で、副作用なく問題だけを解決する手法はない。

 楊井人文ファクトチェック・イニシアティブ事務局長

 国民投票がなされる場合、事実に基づいた議論ができるかどうかにおいて、ファクトチェックは重要な役割を果たせるのではないか。日本の活動もコロナ禍を契機に拡大傾向にあるが、諸外国のように専業で行う方はいない。量的にも不十分というのが実情だ。資金不足、人材不足というところがある。十分な経験や体制を持った組織が準備していなければ、いざとなった時に迅速かつ有効な検証活動は行えない。独立性を担保した上で、何らかの公的な支援の枠組みの検討も必要かもしれない。 

 【各会派の主な意見】

 新藤義孝氏(自民) 最近、AI(人工知能)を使ったプロファイリングやフェイクニュースの問題も出ている。憲法改正の国民投票の際、投票者が的確な判断を行えるよう、公平、公正かつ多様な情報が提供され、自由に取得できる環境を整えることが大切だ。

 道下大樹氏(立憲民主) EU(欧州連合)ではインターネット利用者の権利の保障や、健全なインターネット空間の環境整備などが非常に先駆的に進んでいるが、日本では追いついていない。国民投票とインターネットについてはまだまだ議論が必要だ。

 足立康史氏(維新) 憲法改正国民投票について(インターネット)環境整備するというのはナンセンス。国民投票だけ先行させる類のものではない。大阪都構想の住民投票時は行政が作った偽情報を政党が拡散した。非常に日本のメディアのあり方は深刻だ。

 国重徹氏(公明) 一般にネット空間の世界観は自由、放任、混沌こんとんと多様性こそが本質。国民投票でもインターネットを活用した投票運動が行われる。国民投票で生じる問題に適切に対応するためには、国内外のプラットフォーム事業者の協力が欠かせない。

 玉木雄一郎氏(国民民主) 昔は言論、思想の自由市場という中で、できるだけ情報があればいいということだったが、今は情報があふれている。多様な情報にバランスよく接する機会をどう確保するかという観点が、情報過多時代には特に必要ではないか。

 赤嶺政賢氏(共産) 国民が事実に基づく議論を行うためにも、政府が必要な情報を出すことが重要。森友問題では国有地売却の文書を改ざん、隠蔽いんぺいし、国土交通省では基幹的な統計データが長期に不正算定されていた。改ざんや不正は民主主義の根幹を揺るがす。

 北神圭朗氏(有志) スマートフォンが普及すると、偽情報の整理が重要になる。審査会でも、規制に非常に慎重(な意見が多い)。偽情報の怖さにピンときていないのでは。欧米などでも民主主義の過程で偽情報が相当影響を及ぼしていることが散見される。

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