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Web3は本当に日本に必要な技術なのか、あるネット騒動が広げた波紋 - ITpro

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 最近、Web3について解説したある入門書が「間違いだらけ」とネットで話題になっていた。他社の出版物なので書名を挙げるのは控えるが、検索すればすぐに見つかるはずだ。怪しい出版社の書籍ではなく、インターネット関連の書籍には定評のある技術系出版社が出版したものだ。

 ネットでは、この書籍内でイーサリアムをOSと呼んでいたり、TCP/IPやHTTPといったプロトコルを米Googleや米Amazon.comが独占していると書いたりしている点が問題視されていた。これを見て私は当初、「よくある自転車置き場の議論ではないか」と思った。

 自転車置き場の議論とは、知識が足りない人は本質的な議論ができず、自分が理解できる範囲のどうでもいい議論しかできないことを指す。この書籍に関していうと「Web3の仕組みを理解できないから、自分に理解できる範囲で揚げ足取りをしているだけではないか」と思ったのだ。

 確かにイーサリアムはOSではないが、スマートコントラクトのプラットフォームという意味では一種のOSのような役割を果たしている。プロトコルをGAFAが独占しているという記述も、少し筆がすべっただけかもしれない。短い補足説明を入れたり誤解を生む表現を削除したりすれば済む話で、書籍自体にはそれほど問題はないのではないか。

 そう思ったのは、やはり定評のある出版社の書籍だからだ。技術書を粗製乱造するイメージが強い出版社もあるが、この出版社はこうした悪い評判はあまり聞いたことはなかった。また著者の名前にも見覚えがあった。Web3業界ではそれなりの有名人だ。面識はないが、頭の片隅には「いつか原稿を依頼してもいい」くらいのいいイメージはあった。

 大型書店に行ってみると、案の定、話題の書籍のコーナーに積んであった。Web3に対する一般の関心の高さがうかがえる。購入し、帰宅後に少し目を通してみた。

 当惑した。内容が意味不明なのだ。

 さきほど触れたように、WindowsやiOS、Androidと並んで、ビットコインやイーサリアムをOSとして紹介している。と思えば、別の箇所ではビットコインやイーサリアムを「プロトコル」だと説明している。OSであると同時にプロトコルであるというのはかなり不可解だ。

 この本によると、Web2のプロトコルは「TCP/IP、HTTP、SMTP、DNS、Ethernet、ICMP」であり、Web3のプロトコルはビットコインとイーサリアムなのだという。確かにビットコインやイーサリアムは、データをやりとりする規約という意味でプロトコルと呼べないことはない。しかし、それはTCP/IPやHTTPといった通信プロトコルとは別物だ。レイヤーが全く違う。

 こうした概念をごちゃまぜにしたままプロトコルに関する考察を何ページにもわたって重ねているのだ。正直にいって、そうした議論に意味があるとはとても思えなかった。

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July 29, 2022 at 03:00AM
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